海上浮標式の詳細

国際的な海上浮標式

IALA Maritime Buoyage System

国際的な海上浮標式(IALA国際浮標式)とは、船舶が安全に航行できるよう、国際航路標識協会(IALA)が定めた世界共通の航路標識(ブイや灯標)の設置基準およびルールのことです。


経緯
1971年にドーバー海峡で発生した連続沈没事故をきっかけに、世界に乱立していた30種類以上の浮標式を統合する目的で、1980年に制定されました。

標識を見るときのポイント
昼間は標識の「塗色」や「トップマーク(頭標)」、夜間は「灯色」や「灯質(光り方)」によって、その先にある水路や障害物の位置を判別します。

A方式とB方式の世界2大勢力

世界中の海を完全に一つのルールにまとめることが難しかったため、IALA浮標式では世界をA地域(Region A)とB地域(Region B)の2つに分けて運用しています。


⚠️ 両者の大きな違いは、港に向かって入港(水源に向かう)する際に見る「側面標識」の左右の色(赤と緑)の配置が逆になっている点です。

このため、海外へ航海する際は、目的地がどちらの地域に属しているかを海図などで事前に把握しておくことが非常に重要です。


A方式 Region A

左舷側:赤

右舷側:緑

主な該当地域:
  • ヨーロッパ、アフリカ、中近東、アジアの一部(中国など)、大洋州

B方式 Region B

左舷側:緑

右舷側:赤

主な該当地域:
  • 日本(当国)、韓国、フィリピン、北米、中南米

💡 B方式の有名な覚え方

日本が属するB方式では、アメリカの航海者の間で使われている「Red Right Return」(港に戻る=入港時は、右側に赤)という標語が非常に有名で、直感的な記憶に役立ちます。

我が国における海上浮標式

種別 標体 トップマーク 図解 灯色
塗色 塗色 形状 灯浮標 浮標
側面標識 左げん標識 緑 緑 円筒形
1個
左げん標識 灯浮標 左げん標識 浮標 緑
右げん標識 赤 赤 円すい形
1個
右げん標識 灯浮標 右げん標識 浮標 赤
方位標識 北方位標識 上部黒
下部黄
黒 円すい形
2個縦掲(両頂点上向き)
北方位標識 灯浮標 北方位標識 浮標 白
東方位標識 黒地に黄横帯1本 黒 円すい形
2個縦掲(底面対向)
東方位標識 灯浮標 東方位標識 浮標 白
南方位標識 上部黒
下部黄の逆等
黒 円すい形
2個縦掲(両頂点下向き)
南方位標識 灯浮標 南方位標識 浮標 白
西方位標識 黄地に黒横帯1本 黒 円すい形
2個縦掲(頂点対向)
西方位標識 灯浮標 西方位標識 浮標 白
孤立障害標識 黒地に赤横帯1本以上 黒 球形
2個縦掲
孤立障害標識 灯浮標 孤立障害標識 浮標 白
安全水域標識 赤白縦しま 赤 球形
1個
安全水域標識 灯浮標 無し 白
特殊標識 黄 黄 X形
1個
特殊標識 灯浮標 特殊標識 浮標 黄
緊急沈船標示浮標 青黄縦しま 黄 垂直十字形
1個
緊急沈船標示浮標 緊急沈船標示 青・黄

・上表に掲げるほか、例外的なものとして特定標識があります。